池田先生の学術称号受章の理由

西浦昭雄(創価大学通信教育部助教授)

 池田SGI会長が受章している世界の学術・研究機関からの172に及ぶ名誉学術称号について焦点をあて、「授与理由」をもとに世界の学術界がSGI会長を顕彰する理由について検証するのが本稿の目的である。
 SGI会長はこれまで世界規模での学術文化交流を展開してきた。一例をあげれば、54カ国・地域を訪問し、公式訪問をした大学は69に及び、学術機関での講演は31回を数える。創立した創価大学は42カ国・地域91大学と学術交流協定をもっている。一方、SGI会長の功績に対し、23カ国から国家勲章、404都市から名誉市民称号、172大学から名誉学術称号が贈られている。
 では、なぜ名誉学術称号に焦点をあてるのか。それは「名誉学位は大学が授与する最高の栄誉であり、大学がその見識と存在をかけて人物を選定し、授与するもの」に他ならないからである。例えば、韓国の済州大学では、名誉学位を「人類文化の発展のために献身された方に最高の栄誉を贈るための大学の制度」と位置づけている。
 このような各大学の見識をかけて選考するプロセスは「授与理由」、つまり「推挙の辞」に集約される。したがって、名誉学位授与式で大学トップが示す授与理由を分析することで、世界の学術界が「SGI会長のどの点を、いかに評価しているか」について客観的な紹介が可能になると考えられる。
 SGI会長の名誉学術称号の受賞についての特徴は、第一に、史上最多ともいうべき名誉称号の受章数の多さである。第二の特徴は世界的な広がりである。SGI会長は5大州すべての実に39カ国・地域から受章しているが、この中には社会主義圏やイスラム国家の大学も含まれており、「SGI会長への評価の普遍性」を意味している。第三の特徴としては、日本での授与式の多さがあげられる。本来、名誉学位の授与式はその大学、とりわけ卒業式の場で行われるのが慣例であるので、よほどのことがない限りは大学のトップが出向いて授与することはありえない。SGI会長に授与したいという大学側の熱意が伺える。第四に挙げられるのは、中国、韓国からの受章が極めて多いということある。これは日本と両国の歴史的な経緯をみても特筆すべきことである。第五番目の特徴として挙げられるのは、第1回目など特別な授与のケースが多いことである。私が調べた範囲だけでも、創立初の名誉学長として2大学。特に新疆大学の名誉学長就任というのは中国の大学が外国人に授与する最初の名誉学長であった。さらに創立以来初の名誉博士号をアルゼンチンのパレルモ大学など7大学、同じく初の名誉教授称をマカオ大学など4大学から贈られている。
 172大学のうち、私が入手できた153大学の名誉称号授与式での「授与の辞」や「推挙の辞」などをもとにSGI会長への学術称号の授与理由にについて分類してみた。ただし、授与理由を箇条書きで示したわけでなく、「授与の辞」の話しの流れの中で幾つかの授与理由を述べているケースが大半だったので、分類の仕方は報告者の恣意性が入っていることは否めないが授与理由を計る目安にはなると思われる。
 最も多かったのは教育分野への貢献・教育交流で、112大学が挙げた。創価学園、創価大学、アメリカ創価大学を始めとする教育機関の設立や創価教育システムの構築、教育者としての啓発活動、教育の価値の普及などがこれに含まれる。
 第二番目に多かった授与理由は「世界平和への貢献」で、これを授与理由に挙げた大学は110大学に及んだ。SGI会長の対話を通じた世界平和への行動や平和思想の宣揚への貢献を世界の学術界は注目していることがわかる。
 次に多かったのがSGI会長の文化・芸術への貢献で、95大学が授与理由に挙げている。SGI会長の東京富士美術館や民音を初めとする文化機関の設立や文化・芸術交流の推進役としての功績がこれにあたる。また、詩人としての才能や写真家としての功績を授与理由にしている大学が48大学あった。
 第四番目に多かった授与理由はSGI会長の著作物や知性との対談に対してであり、これらを理由にあげた大学は78大学にのぼった。なかでもトインビー博士との対談は広く知識層に浸透していることが伺える。
 次に、SGI会長の哲学、学識、人格を理由に挙げている大学が59、人間主義の思想を挙げている大学が55大学あった。このようなSGI会長の崇高な精神性を授与理由にあげている大学は計94大学に及んでいる。
 このように授与理由を分類化したが、いささか分析する困難さを感じている。それは、各大学からの授与理由が多岐にわたり、SGI会長の思想と行動、実績を総合的に判断・評価されているからである。「21世紀の地球市民」の模範の存在として「SGI会長」を捉え、同会長に関する研究が日本でも進展する必要性を訴えていきたい。

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