言論の暴力は民主主義の最大の敵
A.O.
人権破壊の言論の暴力を社会に垂れ流し、司法の弾劾を受け続けている新潮社がまたもや東京地裁から名誉毀損で賠償命令の判決を受けた。今や毎月の恒例行事の感もあるが、いくら弾劾されてもまったく反省のかけらすら見られない姿勢にはあきれ果ててものが言えない。今回の判決に当たって裁判長は「証言した地権者2人について具体的に明らかにされておらず、真実と信じた相当な理由もない」と断じた。
要はいつものように架空の証言者を仕立て上げ、まったく根拠のない嘘を書き並べたと断じられたのである。週刊新潮の場合、さらにたちが悪いのは、単に雑誌を購入して記事を読む読者に対してだけではなく、電車の中吊り広告などにセンセーショナルな見出しを掲げて、広く一般社会に害毒を垂れ流しているところにある。
米国には凶悪な犯罪を繰り返す常習者にはより重い罪を課す、いわゆる「三振アウト」と呼ばれる制度があると聞く。わが国にあっても再犯者には情状酌量の余地が認められず、実刑が言い渡されることが一般的である。ましてや新潮社のように、毎月のように同じ構図の人権侵害を繰り返し、謝罪広告の掲載もまったく形式的で、賠償金すらも必要経費とうそぶく輩には、二度と同様の犯罪を繰り返すことができないような懲罰的な賠償金が課せられてしかるべきであろう。
言論の自由とは、悪しき権力に立ち向かう庶民に許された唯一の武器を保障するために、人類が長い闘争の末に勝ち取った貴重な権利である。決して新潮社のように、善良な市民を陥れる悪意の嘘を書きたてる行為を擁護するためのものではない。権力に言論への介入の口実を与えないためにも、かつてナチスの犯罪はなかったと書いた雑誌が沸きあがる庶民の抗議の声の前に廃刊を余儀なくされたように、週刊新潮のような悪書は民衆の手で断罪するべきである。言論の暴力は民主主義の最大の敵である。