福本潤一議員は公明党への離党届で、「あくまで冷静に穏便に離党のお許しを頂きたい気持ち」を表明している。参議院選挙を一ヵ月後に控える時期に、自分を拾ってくれる他の政党を求めながら離党しておいて、よくも穏便な許しを請えたものだ。公明党とその支援者を馬鹿にするにも程がある。国会議員の離党は最大の反党行為だ。例えば、前回の衆院選で自民党は、全ての候補者に、「当選後、離党などの反党行為」は行わず、もし違反した場合は「政治家としての良心に基づき議員を辞職」する旨の誓約書を提出させている。
福本に政治家としての良心が一片でもあるなら、残り僅かの任期にしがみついたりせず、離党と同時に議員も辞職すべきなのだ。結局、その残り僅かの期間であっても、国会議員の歳費と特権が惜しいのだろう。同じ離党届の中で福本は、初出馬した12年前に「学者の道を捨てて国政に人生を捧げる決意を固め」と大袈裟に述べている。僅かな期間の歳費と特権のために政治的な筋も通せない人間が、一体何を捧げる決意をしたと言うのか。せいぜい、地方の国立大の教授職より国会議員のほうが見入りも地位も高いという損得勘定をしたくらいだろう。
自分は政党人である前に、多くの国民の付託を受けた国会議員なのだと福本は言う。だから、党からの指図を受けずに自由に議員活動をしたい。なのに、党の政策を一方的に決める公明党は全体主義的であり、これ以上一緒にやりたくないと言う。これが、比例代表の参議院議員の台詞なのか。福本の議員の地位は、個人の選挙活動と実力の結果ではない。公明党への支持によるものである。公明党の候補だから国民の付託を受けたのだ。公明党を離党した今、一体誰が福本に議員としての活動を期待するのか。自身が12年間、国会議員として活躍できたのは誰のおかげだったのか。その恩を忘れ、最悪のタイミングでの離党という仇で返す人間を支援する国民など、どこにもいない。