増上慢の為政者に正義の鉄槌を!

篠宮紀彦(創価大学講師)

 元公明党の参院議員である福本潤一が、同党に対する不服と不満を理由に極めて身勝手な離党意思を表明し、最終的に同党から除名処分となった。しかも、今後は野党からの出馬も示唆しており、これは、これまで献身的に支援してきた公明党の支援者に対する重大な裏切り行為となる。
 ここで歴史に学び、三国志(吉川英治著、講談社)で裏切りに走った有名な人物を鑑みる。まず、袁紹の幕僚であった許攸は、自分の進言が受け容れられず、満足な報酬が得られなかったため、曹操に寝返り秘策を与え、勝機を与えてしまう。しかし、その後の高慢な態度から同軍の武将を怒らせ斬られてしまう。次に、魏延は蜀の勇猛な将軍であり、多くの戦功を残し、次々と重職に就いてゆく。しかし、増上慢から上官である諸葛亮に疑念を抱き謀反を起こし、最終的には、仲間の馬岱に斬り殺されてしまう。最後に魏の将軍であった鍾会は、才能高い名士の子であり、若くして高官に就いた。蜀攻略に奮闘するが、ライバルに先を越されたため、裏切って蜀を奪おうとする。しかし、結局、自分の部下に裏切られ殺されてしまう。
 これらの人物に共通するのは、非常にプライドが高く、自分の能力を買い被り、多くの人間が協力し合って得た勝利を己の貢献のみと勘違いし、その功績を鼻にかけ、満足のいく処遇が得られなければ、恩を忘れて簡単に裏切ってしまう点である。残念ながら、その末路は哀れにも裏切った先の仲間によって命を絶たれてしまう。この典型に当てはまる福本は、野党に寝返っても同様の末路となることは間違いない。
 御書には「をくびやう物をぼへず・よくふかく・うたがい多き者ども」(P.1191)とあり、憶病で、求道心が無く、欲が深く、疑い深い人間が退転すると厳しく戒められている。最も重要な仏法を忘れ、利害や名誉を優先し、簡単に敵側へ寝返る忘恩の為政者に対しては、断固怒りを持って正義の鉄槌を下してゆく決意である。

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